近親相姦(インブリード)、それは品種改良の基本(多分)
より濃い血でもって本家本元の優秀な形質の再現を試みることは大昔からなされて来ました。
1804年に1000ギニーで取引された(1000ギニーS創設より前!)ウシのCometなんて凄いですよ
父は祖父でもある、祖母は同じ、母は父と祖母の間の子。凄すぎ。
ちょうどいいので、これを例にインブリードの表記について説明しておきます。このCometは父と母父、つまり1代前と2代前にFavoriteが居ますが、これは「Favoriteの1×2」と書きます。同様にして、Phoenixは2代前と2代前と3代前に居るので、「Phoenixの2×2×3」と書きます。
片親内にしかインブリードがないと×使わんとか他にもルールあるんですけど、よく知らないしここでは本質じゃないので無視します。
現代の競走馬ではここまで強烈なインブリードを見かけることはまずありません。逆に言えば、古の競走馬であれば稀に見られるということ。
今回は現代競馬の礎となった、激ヤバインブリードの馬達を紹介します。
①High Time
父Ultimusの時点でDominoの2×2という強烈なインブリードを持ちながら、更に父Dominoの牝馬と交配して誕生した、Dominoの3×3×2を持つ狂気の馬。これだけでもスゴいけど、Domino自身の血統もちょっとスゴい
......このDominoも「黒い旋風」の異名を取った歴史的名馬の一頭なのですが、今はその血統的背景にのみ注目しましょう
Domino自身もLexingtonの3×4×4というまぁまぁ強いインブリードを持ちます。
加えて、端っこにいるLecomteはLexingtonと同じBoston産駒なので、Bostonの4×5×5×5でもあります。まぁまぁ強いですね。
Lexingtonは何者かというと、19世紀アメリカの大種牡馬で、16回リーディングサイアーになっています。ヨーロッパ史上最多のSadler's Wellsですら英愛と仏で合計17回なので、どんだけヤバいか分かると思います
このHigh Time、インブリードが災いしたのか競走馬としては大成しなかったものの、種牡馬としては大成功。2度のリーディングサイアーに輝き、その血はあのサンデーサイレンスにも流れています。
このあとEight Thirtyが〜とか色々書いてたんですけど、なぜか消えてたのでもうおしまいです