やっほ!エア競馬ファンのあっしゅです。
ホープフルSが終わり東西金杯を控える今この時期、日本の競馬ファンは最高に暇だと思います。地方は知らないけど。
ということで、もう散々話題になってるけど、今年3歳になるアメリカ産馬の中で注目株を紹介、もといツバつけておきたいと思います。
次のフライトラインはお前だ!
①Forte
フォルテ(Forte) | 競馬データベース | JRA-VAN Ver.World
昨年、BCジュベナイル(2歳ダートGⅠの最高峰)を含むGI3連勝を挙げた馬。BCは日本でも有名なレースだからか、JRA-VAN Worldにもnetkeibaにもページがあります。いいな〜
当然といえば当然ですが、現状最注目はこの馬ですね。日本でいうところのドルチェモアかドゥラエレーデだもの
実はこの馬、血統がかなりアツいです!
まず注目して欲しいのは4代母のJeano。実はこの馬、あの無敗の3冠馬コントレイルの4代母でもあるんです。つまり、かなりの近親というワケ。
しかも、アメリカでは3代母がJeano(2代母がコントレイルの3代母と共通)のEssential Qualityがつい最近GⅠ4勝を挙げ種牡馬入りしています。
エッセンシャルクオリティ(Essential Quality) | 競馬データベース | JRA-VAN Ver.World
↑コントレイルや同世代同父のFlightlineと比較すれば劣りますが、間違いなくひとかどの名馬です
つまり、日米でアツい血統からまた活躍馬が!というわけです。
まぁこの牝系、遡ると歴史的名牝La Troienneに行き着く世界競馬史上屈指の良血なのでいちいち注目するほどでも無いかもですが......
自分の知る限りでは、コントレイルにここまで近い活躍馬は先述のEssential Quality以来2頭目です
↑ForteのBCジュベナイル。ド素人目には楽勝に見えます。アチィ〜
↑実は先述のEssential QualityもBCジュベナイルの覇者。芦毛でかわいい。2着はそこそこの名馬なので、勝ち切ってるのは偉いかもしれない。
(2着Hod Rod Charlieは後にGⅠ1勝含め重賞3勝、KYダービーとベルモントS、更にドバイWCで2着と健闘)
当然ですが、この馬の血統の面白いところはそれだけではありません。母方は先述のJeanoにSeatle Slew、Forestry、Blameと重ねて父にViolence、日本の競馬ファンには馴染みのないかもしれない名前が並びますが、よくよく見れば面白いところもあります。
シアトルスルー(Seattle Slew) | 競馬データベース | JRA-VAN Ver.World
その血はEssential Qualityにもコントレイルにも流れています。(4代父と、母系の6代前)
続くForestryは、種付け料50万ドルの大種牡馬であるStorm Catの後継。先述の2頭にもStorm Catの血は流れています。(共通の祖先Contriveの父)
また、Forestryにはアメリカ史上最速の馬Dr.Fagerの血が流れているのも注目。
ドクターフェイガー(Dr. Fager) | 競馬データベース | JRA-VAN Ver.World
先述の2頭はJeanoの父ともう1ヶ所のFappianoを介してDr.Fagerを2本持っているのですが、ForteはJeanoとここ由来で2本持っています。こういう共通点が見つかると笑顔になれるぜ.....
母父のBlameは先述の2頭と被る要素が無い馬ですが、超良血馬にしてBCクラシックの覇者なので入ってると嬉しい馬です。日本に居る後継のナダルにも期待したいですね。
(BlameはSadler's WellsやNureyev、エルコンドルパサーと同じSpecialの牝系だったり、名牝Courtley Deeの血が流れてたりする)
多少なりともアメリカ競馬を知っている方は、父のViolenceが一番謎の馬でしょう。私もForteで初めて見ました。
Violenceの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com
現役時代は4戦3勝 2着1回、一応2歳GⅠを勝ってはいるみたいです。産駒では今のところForteが一番の活躍馬のよう。
血統もMedagria d'OroにGone WestにStorm Catにと、割とありがちなアメリカ馬という感じですが、実は3代母のSky BeautyがGⅠ9勝を挙げた名牝。
このSky Beauty、近親(母の半弟)にスプリンター史上最高レーティング133を記録したDayjurがいたりもする中々面白い馬。調べるまで知らんかったけど。
この良血が買われて、微妙な戦績でも種牡馬入りできた〜みたいなとこあったりするんですかね?
......とまぁ、コントレイルに関わりがあり、他にも近親に活躍馬が居て、良血っぽい謎の父から生まれたForteの今後には注目です!
②Extra Anejo
equinelineのリンク上手く貼れない......
日本であんまり注目されて無いからだろうけど、netkeibaにもJRA-VAN Worldにもページが無い。
それもそのはず、通算成績は1戦1勝、2歳重賞に挑戦すらできてない。ただ、新馬戦の勝ちっぷりがかなり凄かったんですねコレが
タイトル通りの怪物っぷり、最高。概要欄によると、そもそも向こうのデカいセリで135万ドルの高値が付いた期待馬だったようで、それに応える圧勝で話題になったんですね。多分。
あんま良くないと思うけどequinelineから取ってきたExtra Anejoの血統表貼っておきます
ウレシイウレシイ......こんな血統表なかなか見れないですよ?
世界競馬に精通してらっしゃる皆さんなら、まず本馬の母系を珍しがるでしょう。ハードスパンより後ろはゴリゴリの欧州血統です。
実際、3代母のHellenicは英国のGⅠヨークシャーオークスを勝ち英セントレジャーSでも2着と欧州で活躍した馬です。
その子、2代母のJustlookdonttouch(海外はたまにスペース潰して文字数稼ぐ馬がいる)は取るに足らない競走馬だったようですが、きょうだいにはGⅠ馬が3頭居るらしいです。Hellenicは凄いお母さんですね、今知りました。
また、ここまでは父Galieo、母父Darshaan、知らんリボー系の馬Homeric、プリンスローズ系のダイアトムと徹底して欧州血統。
牝系は更に遡ると名牝Simon's Shoesに行き着く。こいつはまぁとにかく凄い。同牝系の著名馬は直近だと22年の阪神JFを圧勝したリバティアイランドだそうです
リバティアイランドの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com
↑9代母にSimon's Shoes
他にもSadler's Wells、Nureyev、Lorenzaccioと名馬が多数。ペイザバトラー(シングレではオベイユアマスター)の祖父もこの牝系。
いいキャラ過ぎる。次のJCも出てるから、ホーリックスくらい君の描写期待してるぜ
話を戻すと、この牝系の奥底までヨーロピアンな血統に、ドドンとアメリカ血統2発つけたのがこのExtra Anejoなんですね。
父Into Mischiefは現在アメリカで4年連続リーディングサイアー、これから歴史的大種牡馬になると言っても過言ではない馬。
母父ハードスパンは、2004年生まれなのに父Danzig(1977年生まれ!)、父27歳時の産駒という時代錯誤感がたまらない。
種牡馬としてはアメリカで中の上くらいの成績を残し、母父としてダノンスマッシュとAlcohol Freeを輩出するなど洋の東西を問わずに活躍馬を送り出している。
具体的にどこが通じ合っているみたいなことは一切言えないのだけれど、逆に、決して交わらなかったであろう血が強そうな馬を生んでいるのも、俺は堪らなく好き。
そして、Into MischiefもハードスパンもGalileoも、元を辿ればNorthern Dancerの直系である事に恐怖すら感じる。もう全部あいつの子供にやらせとけば良いよ......
高額取引馬で、新馬戦を圧勝し、あとめちゃくちゃデカいこのExtra Anejoは、Flightlineと重なる部分も多い。その上面白血統の持ち主なんだから、これは活躍して欲しいよなぁ〜